校長室から 8/3
2022年8月3日 09時54分シロクマの実験
7月19日(金)裏磐梯小学校のランチルームで、第1回裏磐梯地域学校保健委員会を開催しました。この会は、幼小中の教員とPTA役員、学校医・学校歯科医、教育委員会で裏磐梯地区の子ども達の健康状態について共通理解を図る事を主な目的として、毎年開催しているものです。特に今回は、ふくしま子どもの心のケアセンターから渡邉宏周(わたなべひろちか)先生をお招きし、「子どもの自己肯定感を高める関わり方」をテーマにお話をしていただきました。
渡邉宏周先生のお話はとても興味深いもので、私自身が特に印象に残ったのが、『シロクマの実験』についてでした。
白くまの映像を3つのグループに見せたあと、それぞれのグループに次のような指示をする。
グループA:「シロクマのことを覚えておいてください。」
グループB:「シロクマのことを考えても考えなくてもいいです。」
グループC:「シロクマのことだけは絶対に考えないでください。」
結果として「考えないでください」と指示されたグループCが最も記憶していたという事でした。「考えるな!」と言われれば言われるほど、人は反対に意識してしまうという事を証明する実験だそうです。これは、皮肉過程理論とも呼ばれるそうです。
確かに、今までの自分自身を振り返ってみると、考えないようにすればするほど、それを意識してしまっていたなぁと感じました。以前、学級担任として子ども達の相談に乗ったときに「それは気にするな」と言うような事を言ってましたが、それは逆効果で「すごく気にしろ!」と言っているのと同じだったんだと、今更反省をしました。では、本当に気持ちを切り替えさせたいと思うときにはどう働きかければ良いか。例えば「好きなショートケーキは何ですか?」等と、全く別の事を考えさせることで気持ちの切り替えができる・・という事でした。ストレスの多い現代社会において、即効性のある対応手段だなぁと感じました。
その他、自己肯定感を高めるためには、当たり前の行動を、良いところと捉える、つまり『時間に遅れず出勤できた』『自分で着替えができた』等を「良いところ」と認めることが大切であることや、褒めるときは、その過程を褒めるとチャレンジする気持ちが育つ・・等、参加者全員が「なるほど」「へー!!」「言われてみるとそうですよねぇ」と頷きながら話に聞き入っていました。本当に有意義なお話を聞くことができたと思いました。
この講演に先立って、各学校の健康状況を報告したのですが、小学校のう歯の治療率が大幅に上昇していることを学校歯科医の松崎先生がご覧になり、大きく頷いておられました。良くなった事を共有できるということは、本当に喜ばしいことです。
裏磐梯地域学校保健委員会は、年に複数回開催されており、次回は裏磐梯中学校で開催されます。またその折りに共有したことや話題となったことをお伝えしたいと思います。