こんなことがありました!

校長室から 10/11

『たくましい子』に対する思い

 令和3年度の本校の教育目標は「心豊かなたくましい子の育成」であり、それを[進んで学習する子(知)][思いやりのある子(徳)][自ら健康になる子(体)]という3つの子ども像としてとらえています。今回は教育目標にある、『たくましい子』に対する思いについてお伝えします。

 昨年の2月11日、元東北楽天ゴールデンイーグルスの監督だった野村克也さんがお亡くなりになりました。野村克也さんと言えば、ヤクルト、阪神、楽天の監督を歴任した名監督でした。また、野村再生工場と呼ばれ、体力的な峠を過ぎたベテランを見事に復活させる起用法でもとても有名でした。私は野球の熱烈なファンでもありませんし、野村克也さんの熱烈なファンでもありません。しかし、野村克也さんが監督時代におこなっていた選手達への指導が、教育現場にも通じるたいへん参考になるものであり、今なお個人的に活用させてもらっております。その野村克也さんの言葉の中に、私の『たくましい子』に通ずるものありましたので紹介いたします。

 人間というものは、「勝利」や「成功」からは多くを学ばない。私はそう思っている。勝ったとき、成功したときは気分がいい。だから、その気持ちよさに酔ってしまい、どうして勝つことができたのか、成功できた理由はなにか、深く考えることがない。私自身もそうだった。しかし、負けたとき、失敗したときは違う。徹底的に考えた。どうして負けたのか、なぜ失敗したのか、どれだけ時間がかかろうと敗因を突き詰めた。
 勝利には、運や偶然に作用された勝利、私にいわせれば「不思議の勝ち」が存在する。対して、「不思議の負け」はない。必ず負けに至った理由がある。・・(略)・・とすれば、負けたから、あるいは失敗したからといって、へこたれたり、嘆いたり、気分転換をしたりする前に、敗因を追及し、修正・改善することが非常に大切になる。そうやってきちんと反省すれば、同じ轍を踏むことは格段に少なくなり、勝利する確率、成功する確率が上がるからだ。
 負けや失敗を認め、振り返るのはつらく、気分の悪いことかもしれない。だが、反省とはなにに向けてするのか。未来に向けてである。過去に向かってすると思うからいやな気持ちになるのだ。よりよい未来を手に入れるために反省するのだと考えればいい。
【プレジデントオンライン「通算1565勝1563敗」弱者を一流に変える天才、野村監督が"負けた日にやったこと"】より引用
https://president.jp/articles/-/42956

 7月1日(木)のPTA全体会の際、学校教育で大切にしたいこととして、「自分より上がいる、負ける経験がとても大切です。その負けを認めた上でそこから努力しようと立ち上がる子ども達を応援してください。」という趣旨の話をいたしました。学校は、まさに社会です。子ども達が社会に出たとき、様々な事に対して子ども達自身が対応しなくてはなりません。くじけない、あきらめない、人のせいにしない、次の手を考える・・そういった姿勢で挑める子こそが『たくましい子』であると考えております。「よりよい未来を手に入れるために反省する」 を実現できる子どもになってほしいと常々考えております。