こんなことがありました!

校長室から 10/19

デジタルとリアル

 以前の記事『感謝しながら、最大限の活用!』でも触れましたが、裏磐梯小学校は北塩原村の手厚い支援により、少人数を生かした「わかる・できる授業」が可能となっています。そして、皆様もご存じの通りGIGAスクール構想で一人一台のタブレット端末が導入され、学校内の無線LAN化にともない、利便性の向上と共に日々の授業での活用頻度も劇的に向上しております。私達の生活面でも、ありとあらゆるものがデジタル化され、便利さがどんどんアップしていると実感されていることと思います。タブレット端末等のデジタル機器(ICT機器)の発達により、今までは不可能だった学習、シミュレーションやプログラミング学習、その場にいながら外国の街並みを見る等の学習をたやすくおこなうことができるようになりました。
 それと同時に、当然のことながらリアルな体験(=体験学習)が今まで以上に重要であることも痛感しております。
 10月14日(木)秋の自然に親しむ会を実施いたしました。予定では13日(水)でしたが降水確率100%という絶望的な天候であったため、14日(木)に実施いたしました。私は、4班ある中の1つの班に同行しました。とあるペンションを目標とし、そこから近くの沼に行くという予定でした。ペンションに到着し、そこから沼に抜けられるはずの道が・・、あるはずの道が・・どうしても見つけられません。ペンションのご主人さんに伺ったところ、以前はその道はあったけど今や通れる状態にないとのこと。「仕方がない。戻ろうか」とグループ内からも声が上がったとき、ペンションのご主人さんから「ここから20分くらいで行ける中瀬沼の展望台に行ってみては」とのアドバイスをもらいました。学校着は11時50分。子ども達のペースでも行けそうだったので、行き先を中瀬沼の展望台に急遽変更して再スタートをしました。甘い香りのする樹木の下を通り、カマキリやオニヤンマ、トノサマバッタ等々に出会い、見事な眺望の中瀬沼展望台で休憩し学校に到着したのは、ぴったりの11時50分でした。
 匂いを感じて、生き物の営みを実感し、川の流れる音を聞き、水を飲んで疲れを癒やして、地域の方と交流をして・・。小学校の学校教育の中では、こういった機会がとても大切です。子ども達がこの日学んだことは、机上の学習では感じることができない、バーチャルな世界で感じることができない、それはそれは貴重な学習となりました。
 小学校の時期の失敗経験はとても大切です。失敗を失敗のままにせず、なんとか実のある経験に転換させようと努力する姿勢が極めて重要であると考えております。(前回の<『たくましい子』に対する思い>と重なる部分があります。)
 今学校現場は、年間に指導しなくてはならない時間数が非常に多い状態です。1・2年生も5校時がほぼ当然で、3年生でさえ6校時実施が珍しくない状況です。そういった厳しい日々のなかでは、どうしても失敗をしない(=精度の高い計画)が良しとされてしまいがちです。
 学校が子ども達に求めるものは、それが将来の生きる糧になるということです。失敗や想定外、不安をたくさん経験し、それを自分たちの力で乗り越えてほしいと思っております。そのためにも、学校としてそれを位置づける学習指導上の工夫が必要であると考えております。ぜひ、令和4年度の計画に盛り込みたいと構想を練っているところです。
 今後、リアルな体験を学習をする際に、地域の方々にお声かけさせていただく事も多いかと思います。その際には、ぜひご協力いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。