こんなことがありました!

鉛筆 「たずねびと」という物語を読みました。(5年国語)

 今年から国語の教科書が新しくなり、出版社も変わりました。今年の教科書には「たずねびと」という物語が載っています。この物語は、広島県出身の朽木祥(くつきしょう)さんが教科書用に書き下ろした物語です。内容は、「さがしています。」と書かれた原爆供養塔納骨名簿のポスターの中に自分と同じ名前(しかも年齢まで同じ)を見つけたひとりの少女が、自分と同じ名前の少女を探しに兄と広島まで出かけ、様々な物や人と出会い、75年前に実際にあった原爆について知っていくという物語です。学習を進める中で、物語に出てくる「原爆供養塔納骨名簿」や「焼けただれた三輪車」、「石段に残る人の影の形」「原爆供養塔」などの実際の写真も子ども達に提示しました。そして学習の最後に子ども達に感想を書いてもらい交換させ、意見を聞きました。一部ですが紹介いたします。

〇原爆の犠牲になった名前しかわからないアヤさんは、原爆供養塔の土饅頭の中でずっと自分を探しに来てくれる人を待っていた。だからアヤが、探しに来てくれたことはすごくうれしかったと思う。(O.Yさん)

〇原爆の犠牲になった人の中には、川に流されたり、骨まで焼かれたりして名前さえわからない人もいる。そういう人は、確かに生きていたのに、元々いないようになってしまう。そのことが悲しい(S. Dさん)

〇たくさんの人が亡くなったのを知ってかなしい。原爆はこわい。(K.Kさん)

〇アヤ(物語の主人公)は、平和記念館に行って原爆の恐ろしさを思い知らされたことと思う。(O.Kさん)

〇一発の爆弾であんなにたくさんの人が死んでしまう、こういうことがないようにしていきたい。(K.Tさん)

〇全く知らない人なのにわざわざ広島まで行って同じ名前のアヤちゃんを探しに行こうと思えるのがすごいと思いました。実際に広島に行ってみると、人の影の形が石段に焼き付けられていたりして本当に原爆が落ちたんだなあと改めて知りました。他にも焼けただれた物などを見て、とても苦しくなりました。(K.Aさん)

〇陳列ケースに並べられたご飯が炭化した弁当やぐにゃりととけてしまったガラス瓶などが原子爆弾の物凄さを表しているのでぼくは、想像ができないほどの凄さだったのだと思いました。供養塔に入れなかった人は、川に流されたり跡形もなく焼かれたりしたというおばあさんの話を読んだ時はとても衝撃を受けました。僕は原爆についてもう二度と戦争なんてしてはいけないし、争わないで仲良く暮らせればいいのにと思っています。(K.Hさん)

 「この物語を読む前に、原爆が広島に落とされたことについて知っている人?」と子ども達に尋ねたところ、漠然とは知っていたという子がほとんどでしたが、その中でDさんは、原爆について以前から関心を持っていろいろな本を読んだことがあるということで、学習の最中も本を持ってきてみんなに見せてくれました。また、学習後は、「八月の光」という朽木祥さんの物語をさっそく読み始めています。読み終わったら、学級のみんなに紹介したいそうです。あまり知らなかったことを詳しく知り、それについて感想や考えを持つことが「学ぶ」ということの意味であろうと思います。そして、そのことが、これから生きていく中で課題となったことを解決する際の力となっていくのではないかと思います。